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第5回コテキリの会|報告
参加者の声
参加者の皆様からお寄せいただいた
質問・感想等をご紹介いたします。
同志社大学古典教材開発研究センター
第5回コテキリの会
「くずし字教材はじめの一歩」
■日時 2022年9月11日(日)14:00~17:00
■場所 Zoomによるオンライン
センター長による総括
第5回コテキリの会を無事終了することができました。登壇者の皆さま!多くのご参加頂いた皆さま!誠にありがとうございます。
コテキリの会は、古典教育のあり方をさまざまな教育機関の垣根を越えて情報交換し、共有することで 実践的に古典教育の方法や教材作成について議論する、創造的な場を作り出す目的で設立された研究会です。第5回を迎えることができました。
今回のテーマは「くずし字教材はじめの一歩」でした。実際にくずし字教材を使ったり、作ったりするにはどうすればいいのか。議論を深めていくことを目指しました。
基調講演は、ケンブリッジ大学ラウラ・モレッティー氏でした。「原本と向き合う力と悦び」。海外のくずし字教育の中心的な役割を果たされており、とりわけ実践的な取り組みを意欲的に試みられています。ケンブリッジ大学サマースクールの取り組みは国際的に注目されており、専門性の高い歴史的典籍を利活用し、将来の世界に通用する若手研究者の養成に尽力されています。そのプログラムと運営方法は実に個性的であり、かつ多様性を持っています。そうした組織のハブとしてエネルギッシュに活躍される人物の存在の大きさを実感させられ、教育に関わるものとして大きな刺激になりました。
第2部では、基礎セミナー「超入門・和本・くずし字のトリセツ」として、加藤弓枝氏から和本の概説と便利サイトの紹介、和本の流通と入手方法、和本を使った授業の進め方について要領よく解説しました。山田はくずし字概説と具体的な事例紹介、教材探しに使えるAIくずし字認識アプリ「みを」の裏技やくずし字学習支援アプリKuLAを体験的に紹介し、くずし字教材の特性に言及。
第3部「一緒に作ろうモジュール教材」では、初の試みでしたが、ブレイクアウトルームに分かれて登壇者が作成したくずし字教材をめぐってルーム毎に議論の場を設けました。それぞれに活発な意見交換が行われました。
初級ルーム:ビジュアルで楽しむ教材:報告者・永吉寛行(宮崎大学)、高須奈都子(大阪商業大学(非))・コメント:ラウラ・モレッティー・司会:佐々木孝浩
初級ルーム:明日から使える教材:報告者・永田郁子(滋賀大学教育学部附属中学校)、岩崎彩香(青森県立八戸北高等学校)・コメント:仲島ひとみ(国際基督教大学高等学校)・司会:山田和人
中級ルーム:報告者・加藤十握(武蔵高等学校中学校)、三宅宏幸(愛知県立大学)・コメント:平野多恵(成蹊大学)・司会:飯倉洋一(大阪大学名誉教授)
コテキリの会の魅力の一つが気楽に話し合う雰囲気だと思っています。コテキリの会が自由で大きな学びの場になって、参加者が次のステップを目指していこうという気持ちになってもらいたい、そんな創造的なコミュニティーになってくれることが夢です。こうした雰囲気が伝統として引き継がれていくといいなあと思います。
登壇者の皆さま、参加者の皆さま、重ねて感謝申し上げます。
2022年9月12日 山田 和人
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当日寄せられたご質問
◉基調講演への質問
WEBフォームからお寄せいただいた、ラウラ・モレッティ先生への質問です。回答者が特定できる記述に関しては加工しております。当日の講演はこちらからご視聴いただけます。
Q1●自分もキャンブリッジのサマースクールに参加したことがあり、とても勉強になりまして、それから自分の所属する大学でも日本文化専攻の院生を対象とした勉強会をし続けてきました。しかし最近では日本語を学んでいる学部生の中からも、くずし字や日本の古典文学に興味を持つ生徒が多く出ており、日本語が中級レベルですがくずし字の勉強をしたい、という学生が増えてきました。キャンブリッジの方法を参考にしながら、MIWOやみんなで翻刻などの方法を使って、学部生にもくずし字を教えることが可能になると思われますでしょうか。そういった経験がある先生方がいらっしゃれば是非ともご教示ください。
モレッティ ケンブリッジ大学のサマー・スクールで習った知識を生かして、自分の大学でくずし字を学部生に教えていることを伺って、とても嬉しく思いました。ご質問ですが、Miwoを使うことによって、初心者が翻刻のヒントを一杯もらいながら、読んでいけるというのは、精神的にプラスになるかもしれません。しかし、2点を考える必要があるかと思います。まず、Miwoを使う場合、翻刻を作成するよりは、翻刻をチェックする作業になることです。この二つの作業も大事ですが、違う作業であることを考える必要があるのではないかと思います。第2点ですが、Miwoが作る翻刻には間違いがあるかもしれませんと常に忘れてはいけない。その間違いを予想しながら、Miwoを使うのは肝要です。Miwoと外のツールを比べながら考えてみたらいかがでしょうか。
Q2●学習者の初級、中級、上級の区別はどうやってつけてらっしゃいますか?
モレッティ 研究会でもご返信させていただきましたが、クラスで行う最初の授業でレベルのチェックを致します。今回の研究会の外の発表を拝聴して、初級・中級・上級の違いが、教員によって違うのだなあと実感致しました。この点についてもっと考えていきたいと思っております。
Q3●今後の課題として、日本の古いもの・古文に興味を持つ人が激減しているとおっしゃっていましたが、日本のアニメ・漫画・ゲームなどは海外の人にも人気があると言われています。そういう現代のコンテンツを入り口にして日本の古典文化に興味を持つという可能性はないでしょうか。
モレッティ 現代日本と古典との関連性ですが、おそらくくずし字教育よりは、文語文の教育に関連する問題だと思います。マンガ・アニメを使ってみるのは、とても良いアイディアです。ご指摘ありがとうございます。資料を探しながら、考えさせていただきます。しかし、私としてはマンガ・アニメのみならず、ドラマ・テレビなども使ってみたいと思っております。
Q4●質問の時に、モレッティ先生は漢文訓読を教えることについて「漢文訓読は学生にとって必要性があまりない」というようなことをおっしゃっていましたが、必要性がないとはどういう意味なのか、もう少し詳しく教えて下さい。
モレッティ 誤解を招いたようで、お詫び申し上げます。「漢文訓読を勉強する必要はない」とは申し上げておりません。「漢文訓読」も和本リテラシーを学ぶための大事な一貫だと思って、2014年~2019年まで我々のサマー・スクールでも教えてまりました。しかし漢文訓読に対する学生の要望が少ないのは現況です。学生の研究の内容とも関わっているかと思います。漢文訓読で書かれた資料をあまり扱わない研究テーマになるかもしれません。
Q5●モレッティ先生が御講演の中で仰っていた「漢文構文についての講義は、学生から要望が少ない」とのことでしたが、そのことについての理由を教えていただけないでしょうか?
モレッティ 私の経験に基づいてご返答させていただきます。まず、学生の研究の内容によるのではないかと思います。漢文訓読で書かれた資料をあまり扱わない研究テーマである場合、漢文訓読を勉強する必要性をあまり感じないのです。もう一点ですが、漢文訓読で書かれた資料を専攻する研究者がその資料の魅力をどのように紹介するかということにもよるかと思います。和文と候文もそうですが、「面白い」・「楽しい」と実感してもらうのは、「もっと習いたい」と繋がるのです。この二点が大きいかと思います。
Q6●日本の大学教員と一緒にくずし字の企画を行うとしたら、どのような役割を日本側に希望されますか?
モレッティ くずし字を自分で教えておりますので、いささか答えにくい質問ですが、考えられるのは二点です。まず、私は歴史家ではないため、自分の日常生活の中に手書きの古文書をそれほど扱わない者です。江戸時代の版本と古文書が違うわけですね。そうなると、上級にあたるような古文書の文章を読むのは難しいです。そこで、講演の中にも触れたコラボですが、日本歴史民俗博物館とのコラボを始めました。歴博の研究者と手を組んで、ケンブリッジ大学の院生を相手に研究会を開いております。その研究会では、我々が解読できていな箇所や意味が取れない文章の説明を歴博の研究者にご教示いただけます。刺激の多い、素晴らしいコラボです。もう一点ですが、もしも日本の学校でくずし字を教えるコラボができたら、日本側の教員にその学校の生徒のレベルや予備知識について教えていただきながら仕事を進めることが大事でしょう。
Q7●日本語が母国語ではない学習者の方が翻刻で躓きやすい「歴史的仮名遣い」、解読の難しい字の推測に役立つ「古典文法」の基礎知識を、海外教育機関ではどのように教えておられますか?
モレッティ ケンブリッジ大学で行われる「古典文法」の教育について、BUNGO-bun NETの研究会で2022年9月10日にご発表させていただきました。コメントという形でご返答できかねます。ロンドンやケンブリッジでお会いし、この点について口頭でより詳しくお話ができたらと存じます。今後とも宜しくお願い致します。
◉全登壇者への質問
WEBフォームからお寄せいただいた、登壇者への質問です。回答者が特定できる記述に関しては加工しております。
Q1●高校古文の時間のうち、現在古典文法に充てられる割合は如何程でしょうか?
岩崎 公立の高等学校と言いましても、生徒の進学先などによって状況が違いますので、あくまでも私の経験からですが、一年生の古典の授業からほぼ毎時間古典文法について学びます。これには漢文句法も含みますが、文法知識があって、それから教材の読解ができるという発想です。そう考えますと、8割から9割は文法に充てている気がします。これは、大学入試で古文漢文を受験科目として利用するというのが最大の理由です。一方、大学受験をする生徒が少ない高校では、文法よりも本文の内容を重視した授業を展開することもあります。
Q2●今回の会は、和本を教材として授業で扱う際にどのような知識を身につけるべきか、どのようなサイトが有益か、実践例を詳しくお話くださり、大変ありがたかったです。
質問としましては、古典籍を用いた授業の種類についてです。今までも、そして今回の第三部でも話題とされた古典籍を使った授業というのは、一回きりの授業がほとんどかと思います。確かに一度きりの経験でも生徒に多大な影響を与えるのは間違いないと思いますが、授業として一回のみで終わってしまう教材はややもったいない気がします。また、授業が一度だけでは、古典への苦手意識はぬぐえない生徒に対して古典の側面を知ってもらうにしては不足があると思います。
確かに現状では、教科書が中心の授業がほとんどであり、レクリエーションの一環として古典籍を用いるといった感はあります。教育現場との連携がない限り、モジュール授業しか行うことはできないとも思います。ただ、同一の生徒に対し複数回にかけて授業を行うことができたら、「古典嫌いをなくす」のより正確な結果が導けるのではないでしょうか。
そこで、コテキリの会としては、今後複数回に分けた同一クラスへの授業実践などは想定しているのかお訊きしたいです。
永吉 ご参加、ご質問をありがとうございます。古典籍を用いた授業が一度きり、あるいはレクリエーション的になってしまうのではないかというご指摘、もっともだと思います。私も授業研究をしていく中で、くずし字解読活動が生徒にとってただ「楽しい」で終わってしまうのではないかという危惧を常に持ち続けています。(もちろん生徒に「楽しい」と思わせることも大切であり、工夫のしどころだとは思いますが。)しかし、その「楽しい」と思わせる古典籍に触れる時間やくずし字解読の時間は、一単元の一部分に過ぎないと捉えています。国語に限らず学校教育における授業は「単元」というスパンで構想します。単元の目標があり、評価規準があります。そこに達すればいいわけで、そこへの手段の一つとして古典籍やくずし字の教材があるのではないでしょうか。例えば百人一首の注釈書を古典籍で読むのは、あくまでも注釈書の内容によって読解力を高める、あるいは言語文化への親しみを持つことが単元の目標となることが多いと思います。そこでくずし字資料を活用するとなると、自然「丁寧に読む」ことになることから、内容理解も深くなります。また、私見ですが、くずし字を解読をするためには字母の推定から単語や文節を予測する力が必要で、それは古語の語彙力や文法的知識が必要になり、知識を高めることになります。このように、古典籍やくずし字資料が、単元の目標実現のためにどのように寄与するのかという視点で授業作りを考えていくほうが良いのではないかと考えています。
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アンカー 1
アンカー 2
参加者の感想
◉第1部 基調講演の感想
●ラウラ・モレッティ氏の実践しておられた、大学(院)生をティーチング・アシスタントとして雇い、教育現場に連れて行くということは積極的になしていくべきだと思われる。学生にとっても大学院生は年が近く親しみやすいだろうし、大学(院)生にしても教えることを通じて自分の能力を高めたり、現場を知ったり、また賃金を得たりすることができる。科研費があるならば、そうしたところにもリソースを割いてもよいのではないか。日本でも鶴見大学が実施しているようなので、それを習うべきであろう。
モレッティ ご感想ありがといございます。今年のティーチング・アシスタントが高評されたので、講演で申し上げた通り、これからも続けるつもりです。
◉第2部「超入門!和本・くずし字のトリセツ」への感想
●書誌を学ぶための講座である「超入門!和本・くずし字のトリセツ」を開設したのはよかったように思う。詳しくない人でも、気軽に手が出せるようになるきっかけに十分になりえると思われた。あとは、和本バンクの活用実践を、公立、私立、さまざまな教科、学年、学力で積み上げていくと、より良いように思う。将来的には、和本バンクを活用してくださった先生に五分程度の報告をお願いして、コテキリにアクティブに参加してくれる人を増やしていくと、くずし字/和本教育が活性化するだけでなく、コテキリの会自体にも幅広い人材が集まってくれるように思われ、古典教育に一筋の光が差したように感じられた。
●教材として古典籍の破本を古書店に見繕ってもらって購入するのは、よいアドヴァイスですね。●●大では、封筒に鳩居堂の防虫香【私個人も同様】を入れて図書館特別資料室の書棚に保存しています。付き合いがあれば“勉強”してくれるのはこの手の本屋の常ですし。
加藤 ご感想ありがとうございます!古書店さんに見繕っていたいだいた際は、和本の福袋を開けるような感じがして、いつもワクワクします。鳩居堂(や松栄堂)の防虫剤、わたしも愛用しています!
◉第3部 初級ルーム「ビジュアルで楽しむ教材」への感想
●ビジュアル素材から関心を惹く、というご提案、とても興味深く思います。一度、授業に取り入れてみたく思います。
永吉 GIGAスクール構想で、公立学校の児童生徒も一人一台端末を使用できる環境が整いつつあります。子どもたちが手元でじっくりビジュアル教材(しかも動いたり、加工が可能だったりする)と向き合えることに可能性を感じています。感想をありがとうございました。
◉第3部 初級ルーム「明日から使える教材」への感想
●大変参考になる実践紹介をありがとうございました。どのように授業をつくっていくかは、現場教員全員にとって知りたいことだと思いますので、具体的にお示しいただけて大変ありがたかったです。
永田 私にとりましては、やりこなしていない実践例であったので、ご清聴いただいて深謝申し上げるばかりです。小中学校の現場それぞれで、扱うジャンルもまた変わってきます。「我が国の言語文化」の指導事項だけでなく「読書」の指導事項でもどうとりあげるのかをお示しできれば、「モノ」としての和本のおもしろさをもっと前面に出せるなとも考えています。
岩崎 教科書に掲載されている教材とくずし字をどのように関連付けるかが、実際の授業では大事だと思っています。図書館や本屋、デジタルデータを活用することで、定番教材もくずし字教材として新たな一面を映し出します。その一例としてお役に立てたら幸いです。
●古典教材を通して地域と生徒をつなぐ取組、とても参考になりました。そこにくずし字を導入で活用するとこのこと、私も地元との関連で挑戦したいと思います。ありがとうございました。
永田 地域の子どもたちに将来、一市民として地域の文化財等を保全する意義を理解してもらえるような授業づくりを目指したいという思いです。他地域の様々な実践に学んでいきたいと存じます。
◉第3部 中級ルーム「これぞ!くずし字教材」への感想
●学習者が地域住民ですと、その興味はくずし字よりも本の内容(地域の歴史)にありますし、古文の読解能力の獲得も目的とはなりません。学校教育とは何かと異なる場ですが、内容の読解とくずし字の扱いのバランスが取れた、メリハリのある教材を中級ルームで見せていただき、大変勉強になりました。見習って、有意義な教材が作成できるよう、考えていきたいと思います。
三宅 受講される方々の「興味はくずし字よりも本の内容」という点も非常に良く分かります。当時の本を当時の字で読むこと自体面白いのですが、なかなか大変と感じられることも否めません。その点については思いつきですが、例えば本文全てではなく、名所図会に記載される和歌や発句を数種取り上げ、現代の漢字ひらがなで書いた時とくずし字で書いた時、どちらが趣深いかなど質問したり、短冊にその歌や句を書いて貰ったりするのはいかがでしょうか。ひらがなが数種あるだけで、その趣の違いは感じて貰えるかもしれません。
◉第5回コテキリの会への感想
●私は大学生なので、知識量は専門家の皆様の足元にも及びません。少々場違いかな…?と思いつつ、古典を専攻している者として未来の古典教育をより良いものにしたいと思い、参加させていただきました。サマースクールでの海外における古典の学びや、アプリを用いた古典学習、地域性を生かした古典の授業等、今まで考えることもなかったような古典教育の在り方について学ぶことができました。古典教育の可能性を広げていくことが、よりよい古典教育に繋がっていくのではないかと考えるきっかけになりました。
大学で古典を学びながら、斬新な古典教育についてアイデアを巡らせていきたく思います。貴重な機会をご提供いただき、誠にありがとうございました。
岩崎 古典教育がどうあるべきか、今はそれを考える過渡期を迎えていると思います。学びにおいて基礎知識は重要なので、もちろん古典文法も大事であることには変わりありません。しかし、文法を暗記して、本文を読解してそれでいいのかどうか。その上でどうするのか。これからの古典教育を一緒に考えていければと思います。
●授業のモジュール化のご提案も含めて、大変貴重なご実践の数々を知ることができ、大変参考になりました。国内の初等中等教育段階の授業として行う際の位置づけにあたっては、教科の学習指導要領以外の総合的な学習との連携の可能性も検討されると可能性がより広がるように思いました。また公立校で自分の地域に目を向けた学習として教材化される方向性は生涯学習につながるという意味で素晴らしいと思います。全国各地でくずし字を用いた地域の学習が広く行われ、古典籍が「今ここ」に現存していることの意味や後世に受け継がれる意義を国内外を問わず共に学び合えたら本当に素晴らしいことではないかと考えます。
永田 本校(滋賀大学附属中)の総合的な学習の時間は、様々なテーマについて生徒が自ら問いを立てて、探究学習に取り組みますが、中学生でも自分たちで資料探索をして古地図などにあたることがあります。教科を横断して学習してくことで、和本の多様さに気づけると理想的だなと感じています。そういった学びに向かわせることを目的とした資料目録などがあるといいかもしれません。
●いろいろな工夫に感動しながら、伺いました。小学生から大人まで、生涯教育としての楽しみに繋ぐような発表もあるといいかと思います。
岩崎 くずし字を生涯教育としての楽しみにつなぐ手立てとして、初等中等教育でのくずし字学習の重要性を感じています。国語科教員として、これからも励んでいきたいと思います。
●大変素晴らしい内容であっという間の3時間でした。特に、百人一首の古注釈を原文で読むと良いのではというご意見があり、大変共感しました。古典探究あたりでやるとおもしろいのではと思いました。まだまだハードルは高そうですが。ありがとうございました。
岩崎 古注釈を原文で読むというご意見、とても参考になりました。古典探究の授業自体がこれからの開講となりますので、どういった形で活用できるのか、考えてみたいと思います。教材開発をしながら、教員としての自身の学びにもつなげていきたいです。
●今回の会を、教科書会社を通じて宣伝したことはよかったように思う。日ごろ、こうしたアカデミックな場にアクセスしない人でも、情報に触れる機会が多少なりともあったように思われる。こうした幅広い情報発信を続けていくことが大切であるように感じた。
●ホームページの「教材・実践の紹介」をもう少し充実させてほしく思う。今までの会でのご発表をまとめたり、また至便なサイトを一覧したりするだけでかなり違うはずである。特に後者については、今回の「超入門!和本・くずし字のトリセツ」をまとめるか、「日本近世文学会 2021春季大会シンポジウム」のホームページをリンクさせるだけで随分達成されるだろう。くずし字教材の情報を一元化する意味でも有用であると思う。
●とても勉強になりました。高専の先生やベネチアやカリフォルニア州の大学の研究者さんまで、ワールドワイドで良い会でした。また参加したいです。ケンブリッジの先生はさすがに優秀ですね・・・
●くずし字と出会ってから丸一年が経ち、教員の方々がどのような思いでくずし字の教材・普及を行なっているのか興味が出たため受講いたしました。どの方々も、学生の気持ちに寄り添いながら熱心な指導・教材作成を行なっていて感動しました。(中略)このように趣向を凝らした教材や熱心な教員の方々と出会えていれば、満足したくずし字学習ができたのかなあと感じました。
●古文書のアーカイブスを含む仕事があるのでとても勉強になりました。山田先生の「解読」と「読解」の話はとても印象的でした。次回も是非参加、勉強したいと思います。
●第三部は別件があって参加できず失礼いたしました。仕事で地域の文化財を守っていくにあたり、参考になることがきっとあると思い勉強させてもらいました。一般の人にとって少しハードルの高い内容をいかに楽しみながら、かつ力を付けてもらいながら学んでもらうのか、現場でも取り入れてみたいアイデアをたくさんいただけました。有難うございました。
●楽しいコテキリの会を誠にありがとうございました。日本国外在住のため、オンライン参加型の研究・意見交換会で大変貴重な勉強の機会を頂いているという感謝の念に堪えません。(2021年に比べ、日本学関連オンライン研究会・例会は激減)意見交換会参加は叶いませんでしたが、最新のくずし字学習アプリや、教材開発、AIが将来文脈を見ながら解読できるようになるのか否かについて大変興味深く拝聴させて頂きました。奈文研 アプリナゾルクン(https://nazoru.nabunken.go.jp/enter.html) 運筆学習アプリ開発も進んでいるということでコテキリからますます目が離せなくなりそうです。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
●モレッティ先生の貴重なご講演をはじめ、加藤・山田両先生の「トリセツ」、永吉・高須両先生の往時の看板やファッションの具体例を拝見し、とても為になるものでした。一方でくずし字に関心のない子どもたちをどのように関心をもたせ、この世界に導いていくとよいのか、という入口の問題や、さらに横書きと縦書き、あるいは連綿と一字一字区切りのある書き方の相違から生じる問題、科目横断、学際的な活用法など、改めて考えさせられました。有意義な会をご提供いただきありがとうございました。
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アンカー 3
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